T287233(W5022)

脇指 無銘 越前兼植

新刀 江戸時代初期(元和頃/約400年前) 越前
刃長33.1cm 反り0.6cm 元幅30.5mm 元重6.5mm

保存刀剣

 

剣形:平造り、三ツ棟。身幅広く、ふくら付き、反りが浅めに付く。
鍛肌:板目肌よく詰んで杢目交え、棟寄りに柾目交え地沸厚くつく。地景が細やかに湧き出し、処々湯走り状に煙る。鉄(くろがね)冴える。
刃紋:総体に沸主調で、大互の目を基調に、蛙子丁子や逆がかった刃を交えて、跳び焼が一面にかかり、棟焼が烈しく入り所詮、皆焼状態となる。刃中は互の目の足が長く伸びて美景。
帽子:乱れ込んで地蔵風に返り深い。
茎:生ぶ、無銘。鑢目は切。目釘孔一個。茎尻は入山形。棟に小肉つく。
初代兼植は本国美濃関。同族の兼法らと共に越前国の豪族、朝倉氏に招かれて、越前一乗谷に来住。晩年は入道して道本と号している。二代の兼植は加賀での作刀があり、三代は常陸守を受領している。同族の兼植は江戸や越後での作刀も見受けられる。寸が延びた平造りの小さ刀脇指は所詮、打手の添え差しとして桃山時代ごろの作品が多い。さらには本作は同時代の美濃鍛冶や末相州鍛冶らが得意とした典型的な皆焼に焼入をしている。手持ちがズッシリとした体躯は、頑健であり、地刃の上々出来と併せて、姿と地文さらには皆焼の焼刃に呼応して覇気と迫力が漲る。江戸時代初期の尚武の気概醒めやらぬ越前を代表する作品である、良業物。
金着せはばき、白鞘入。