R1795(K23820)

三連発輪廻式火縄銃

丸に十字紋象嵌

無銘

全長36.5cm 口径1.1cm 銃身長18.2cm

重量 1590grams

江戸時代中期 摂津

参考品

丸に十字紋象嵌

無銘

全長36.5cm 口径1.1cm 銃身長18.2cm

重量 1590grams

江戸時代中期 摂津

日本で初めての回転連発方式は江戸時代の元和(1615~1624)に井上外記が考案した 『三捷神機』が祖である。井上派は江戸幕府の鉄砲方を勤める鉄砲鍛冶集団であり幕府兵器廠である近江国友村において、二十連斉発式の火縄銃が造られたとの記述も残っている。日本の国友鍛冶職方の技術は優秀であり、当時の最先端技術の結晶であったことがわかる。 本作は三本の銃身が回転して順射する火縄式銃砲で無銘ではあるがその多くは堺系の銃工によるものと伝えられる。銃身には「丸に十の字」の家紋が銀象嵌で施されており島津家に所縁のものであることがわかる。江戸時代中期頃に島津家に供された短銃であるが、平和な時代背景から実用に使用されたものではなく、高度な技量を伝承する御用鉄砲鍛冶職人の御秘事の鉄砲として他国に漏洩することを禁じたとも伝えられている。そのために現存数は非常に少なく、その存在はごく僅かに確認されているだけである。