剣形:平造り、庵棟。身幅尋常、元重ね厚く、茎は太く強固な造り込み。上部の重ねが薄くなり、強固かつ鋭利な造り込みをしている。
鍛肌:地肌板目肌よく練れて大杢目肌交じり、刃寄りに流れる肌交え地沸が深遠より沸き出でて厚くつき、地に棒状の沸映りがたち、太い地景がうねる変化に富み美景。
刃紋:直刃に解れ、ほつれ心の小足が入り、元から先まで均一な小沸が厚く絡んで刃中は柔らかな匂いで充ちる。
帽子:表の切先はやや掃き掛けて中丸となり、返りが深く返る。裏は先が強く掃き掛けて火炎風となり同じく深く返る。
中心:生ぶ。鑢目は勝手下がり。棟肉平。孔二個。茎は栗尻張る。履表の上方棟よりに大振りの長銘がある。裏には一字分下がって天文廿四年八月吉日の年紀がある。
戦国末期、末備前の諸鍛冶は諸国の豪族や戦国大名からの注文を一手に集めてその求めに柔軟に応じて、頃合の打刀や短刀の製作が多い時代であった。また本作のような頃合でありながらも一世代以前の永正から大永にかけての姿より、一段と寸が延びているものが多い。その中でも清光は寸延びて、重ねの厚い強固な造り込みのものが多く直刃に秀でているのも特徴とされる。総体板目が目立つ鍛えではあるが、詳細に観ると、棟寄りには大杢目が連なりここに帯状の棒映りが立ち込めて、中頃に暗帯部を挟んで刃寄りはさらさらと流れる柾目状の鍛肌を見せて此処にも棒映りが発つ見応えの豊かな景色をしている。清光の地映りは所詮「沸映り」と称する他末備前鍛冶に比べると地沸が強く、本作のように太い地景がうねる様を見せるものも多く、重ねの厚さとがっちりとした体駆、さらには沸勝ちの焼き入れはほど良く調和しており尚武の気風を伝えるち本作は清光の遺作典型の優品といえる。のびのびと勢いのある銘振りもさることながら、茎の勝手下がり鑢目も鮮明で錆味も絶妙である。天文廿四年八月は通常弘治元年にあたり、作刀時には改元前なのかもしくはそれが流布されていなかったのかは定かではない。
金着せ二重はばき、白鞘入り。