A19229(S1298) 刀 銘 越之前州兼植 特別保存刀剣
新刀 江戸時代初期(元和頃/約400年前) 越前
刃長74.3cm 反り1.7cm 元幅31.4mm 元重7.0mm 先幅21.6cm
剣形:鎬造り、庵棟。身幅広く、重ね厚く、反りが浅めに付き中鋒伸びる。(刀身拡大写真
鍛肌:板目肌に杢目交え、地沸厚くつき、地景が細やかに湧き出し、かね黒みがかり冴える。
刃紋:総体に沸本位で、大互の目を基
帽子:直ぐ調に先掃きかけて小丸に返る。
茎:生ぶ。鑢目大筋違い。目釘孔一個。茎尻は浅い入山形。履表に長銘「越之前州住兼植」と長銘がある。
初代兼植は本国美濃関。同族の兼法らと共に越前国の豪族、朝倉氏に招かれて、越前一乗谷に来住。晩年は入道して道本と号している。二代の兼植は加賀での作刀があり、三代は常陸守を受領している。同族の兼植は江戸や越後での作刀も見受けられる。手持ちが重く、ズッシリとした体配は、平肉が豊かで、頑健であり、地刃の上々出来と併せて、姿に覇気と迫力が漲る。同国の康継の作域に紛れる出色の出来映えをあらわした傑作。江戸時代初期の尚武の気概醒めやらぬ越前を代表する作品でかつ同作中、出色の出来。良業物。道本兼植は寛永十四年没、行年六十八歳であった。
時代銅はばき、白鞘入、上研ぎ