A21591(S1283) 刀 銘 豊後國朽網郷住人則貞作 于時宝徳三季二月十五日 | 特別保存刀剣 『光山押形』所載品 |
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古刀 室町時代初期 (宝徳三年/1451) 豊後 刃長 77.0cm 反り 1.95cm 元幅 31.5mm 先幅 20.0mm 元重 8.5mm |
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剣形:鎬造り、庵棟。元身幅広く重ね厚く、鎬筋が高く平肉のついた重厚な体躯に腰反りがつき、物打ちやや伏さりごころとなり中峰のびる。(刀身全体写真) 鍛肌:地鉄は板目肌流れて柾がかり、地錵が厚くついて煌き、青黒く沈んだ柾目状の地景が躍動する。 刃文:広直刃は浅くのたれて刃縁には小沸が厚くついて小乱れ交え、ほつれる刃や二重刃を頻りと交えるて明るく冴える。刃中は匂い深く充満して澄み、小足頻りとかかり、葉浮かび、沸匂いの豊かな働きがある。 帽子:表裏とも焼き高く、強く掃きかけて火炎風となり焼き詰めごころ。 茎:茎にも反りがついて腰反りがつく。大きな目釘孔二個。浅い勝手下がりの鑢目、茎棟肉平に此所には極浅い勝手下がりの鑢目がある。佩表の平地には細鏨で大振りの古雅な鏨運びで刻された長銘『豊後國朽網郷住人則貞作』、裏には日付まで刻された年紀『于時宝徳三季二月十五日』がある。 豊後国 豊後国は霊峰 この刀は騎馬戦を念頭にした猛者の大刀であろう。弐尺五寸四分強と寸がのびて先伏さり、身幅広く重ね厚くついて鎬筋高く平肉のついた豪壮な体躯をしており、鍛えは板目がよく錬れて詰んで柾目肌顕著。刃縁には小沸が厚くついて柾目肌に呼応した金線、砂流しが明瞭に顕れて明るい閃光を放つ。銘も思い切って大きく刻されており、裏年紀も鮮やかに二月十五日まで記している。第二目釘孔は頑強な柄前に極太の目釘を用い二箇所で固定した証である。 中央から遠く離れた北九州の地で大友氏一族の特別な需により精鍛されたこの刀は現在の豊田市、挙母内藤家の伝来。千手院派の大和色を魅せ、製作当初の体躯を留めて地刃ともに頗る健全。古雅な鏨運びの長銘及び月日まで刻された制作年紀は頗る珍重で『光山押形』の所載品である。歴史・資料的価値も高い。朽網の地の主な刀工には宝徳二・三年紀を有する表題の『則貞』および門人の『貞康』のほか、明徳三年紀の『秀次』がいる。 金着二重はばき、白鞘入 参考文献: 本間薫山『日本刀銘鑑』雄山閣、昭和五十年 |
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