C049501(S1498) 刀 銘 河内守源康永
附)黒色塗鞘打刀拵
特別保存刀剣
保存刀装具(鐔)
新刀 江戸時代前期 (延宝頃/1673〜)摂津
刃長 75.6cm 反り 1.5cm 元幅 33.2mm 先幅 20.6mm 元重 7.6mm
剣形:鎬造り、庵棟。刃長弐尺四寸九分と殊の外寸延びて重ね厚く元幅が広い強靭な打刀。元先の幅差がややついてやや浅めの反りがつき中峰に結ぶ、寛文から延宝頃に流布した打刀姿。(刀身拡大写真
地鉄:総体に小板目の鍛肌が詰み地沸ついて乱れ映りが現れる。鎬地は柾目。
刃紋:元を直調の大坂焼出しに大房丁子。刃縁は匂口締まりごころに小沸がよくついて明るく冴え、刃中は匂い深く丁子の足がよく入り金線・砂流しかかる。華やかな丁子刃は変化に富み、錵匂の働き豊かに見所が多い。
帽子:表は乱れ込んで掃きかけて太い沸筋がはいる。裏は直調に中丸。
茎:生ぶ、目釘穴壱個。大筋違の鑢目。棟に小肉ついて大筋違の鑢目がある。茎尻入山形。佩表の鎬筋上に大振りの鏨で『河内守源康永』の長銘がある。

 河内守康永は生国紀伊、備中守橘康廣の次男で名を八左衛門という。寛文年間(1661〜)に父・長兄の康廣とともに紀州より大坂に移住した大坂石堂派・備前伝の優工である。一文字風の大房丁子や濤瀾乱を得意をし、門下には同派の名工である多々良長幸を輩出した。
 長大な弐尺四寸九分五厘におよぶ特別注文の姿格好に、小板目鍛えがよく詰んだ精緻な鍛肌は美的に昇華した大坂新刀を明示している。お家芸の大坂焼出しにはじまる一際華やかな大房丁子はことさらに匂口が明るく地には乱れ映りがたつなど大坂石堂派を代表する優品で同工の本領を遺憾なく発揮している。

附)黒色塗鞘打刀拵(拵全体写真刀装具拡大写真
  • 縁頭:牡丹図、赤銅地、高彫、金色絵
  • 目貫:柊南天図、容彫、金渡金
  • 鐔:鍾馗図、鉄槌目地、撫角形、薄肉彫、金銀素銅象嵌、角耳小肉、両櫃孔(伝長崎)保存刀装具
  • 柄:白鮫着納戸色常組糸菱巻
金着祐乗鑢はばき、白鞘付属
 
刀 銘 河内守源康永
刀 銘 河内守源康永
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