E22379(S1288) 刀 銘 備州三原住正近作 天文十二年二月吉日
附)変漆塗鞘打刀拵
保存刀剣 1,280,000円
古刀 室町時代末期(天文十二年/1543年) 備後
刃長67.0cm 反り2.2cm 元幅26.9mm 元厚7.3mm 先幅18.4mm
剣形:鎬造り、庵棟く、鎬筋が殊のほか高く、腰で反って、茎にも反りがあり、先に行っても反り付いて中峰に結ぶ優美な太刀姿。表裏に掻き流しの棒樋の彫り物がある。(刀身詳細写真
鍛肌:板目肌よく詰み刃寄りに流れる柾目肌交え、地沸よくつき、地斑調に地映り立つ。
刃紋:小沸厚く付き、匂い深く、直刃に小の乱れ、打ちのけ、逆足、鼠足がよく入り、ここに砂流し、金線長く働き、上半は湯走りかかり、二重刃となり、地刃ともに明るく冴える。
中心:生ぶ、目釘孔二個、鑢目は切、茎尻は刃上がり入山型。佩裏鎬地よりやや下方に長銘「備州三原住正近作」裏に「天文十二年二月吉日」の年紀がある。
帽子:直調に二重刃となり、掃きかけて、焼詰める。
南北朝時代の延文ごろに、備後三原の地に右衛門尉正家が大和国手掻より移住した一派で、この古三原正家は本阿弥光徳が極めで金象嵌を施した浅野幸長紀伊守伝来、重要文化財指定の「大三原」が現存するのをはじめ古刀末期にいたるまで非常に繁栄した一派として知られる。本作は天文十二年紀が好ましく、所詮「貝三原」と称される一門に属する、俗名を黒田助六正近の優品。姿は京反りで格好の良い美しい姿で、反り高く、特に鎬筋が高く、刃文は沸本位で僅かに湾れて、逆がかった小足、同じく逆がかった打ちのけがかかり、上半は二重刃となり、帽子は掃き掛けて焼き詰めるなど地刃ともにシッカリとした大和伝の作域をよくあらわしている。変塗鞘打刀拵付属
銅はばき、白鞘入り。