G23882_G23886 大小 刀 無銘 田代兼元 脇指 無銘 兼先 附)黒蝋色塗小刻鞘大小拵 |
保存刀剣・保存刀装具 | 1,500,000円 |
刀:江戸時代初期(寛永/1624年頃) 刃長69.0cm 反り1.0cm 元幅30.0mm 先幅23.0mm
元重6.7mm 脇指:室町時代後期(大永/1521年頃) 刃長49.8cm 反り1.2cm 元幅25.4mm 先幅18.0mm 元重6.0mm |
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刀 無銘 田代兼元(刀身拡大写真) 剣形:鎬造、庵棟、反りが浅めに付いて中切先延びる勇壮な造り込み。表裏に丸留の棒樋の彫り物がある。 鍛肌:小板目肌良く詰んで肌目が目立ち地沸が厚く付いて細かな地沸が絡み地金強く冴える。 刃紋:互の目の先が尖り、所詮三本杉となり、刃縁に小沸がつき、足が入り刃中に匂い充ちて明るく冴える。 帽子:表裏とも乱れこんで中丸に返る。 中心:摺り上げ無銘、鑢目は切、目釘孔三個(内二個埋め)。茎尻に朱銘の跡がある。 脇指 無銘 兼先(刀身拡大写真) 剣形:鎬造、庵棟、反りがやや深く付いて先反りが目立ち中切先に結ぶ。表に掻流しの腰樋にに梵字、裏には二筋樋に梵字の彫り物がある。 鍛肌:板目肌やや肌立ち処々に流れる肌があり、地沸付き、地にやや白ける映りが立つ。 刃紋:互の目の先が尖り、逆がかった刃が交じり、矢筈刃や複式の互の目など交じる古雅な刃文で総体変化に富む。刃中に匂い充ち、明るい。 帽子:表裏とも乱れこんでやや掃きかけて中丸となり、返りが深く帽子に棟焼きがある。 中心:摺り上げ無銘、鑢目は切、目釘孔二個。茎尻に朱銘の跡がある。 江戸時代中期の作と鑑せられる大小拵に納まり、双方に手を同じくする朱銘極の跡もあることから当時の大小一腰であろう。最近の鑑定で刀は孫六兼元の正系四代目にあたる田代兼元とされた。時代は寛永頃で反りが浅めにつきながら切先のびた勇壮な姿が印象的。脇指は姿は先反りが目立ち且つ平地に肉がつき、地金も板目肌がやや肌立ち流れる処があり、乱れにも広狭があり刃文には変化があるなど、刀に比べて古調な感があり、簡素ながらも入念な彫り物もあることから、時代を若干あげて室町時代後期、大永頃の兼先との極めが附された。双方とも匂口は同様に冴え、地金の色も頗る近似し、地沸も均一に付くことから時代も近く且つ純然たる美濃伝の作柄である。 黒蝋色塗小刻鞘大小拵は縁頭・目貫は赤銅地で五岳文図(注)。鍔は鉄地に芦雁図を地透した赤坂。小柄は赤銅地丁子図、笄は同じく赤銅で鷺図など良い金具を使って構成され、柄下地、鮫革、柄糸から鞘に至るまで江戸往時の古雅を今に残し、高級常用の大小一腰として適度に使い込まれ、鞘には処々修復跡が残る。 (注)五岳:中国で古くから霊山として扱われた五つの山(東西南北中)をさし、東を東嶽(秦山)、西を西嶽(華山)、南を南嶽(衡山)、北を北嶽(恒山)、中を中嶽(嵩山)と呼び、信仰や政治の面で長年重要視されてきた。仙人が山に入るときにはこの五岳文図鏡などを懐にして道中の安全を祈願した。併せて鍔などの刀装具に時折この五岳文図を見かけるが大小の金具を統合して五岳を完結させており貴珍な刀装具。旅行中一切の災難を免れると伝えられる高級大小一腰。 大小揃赤銅岩石はばき、白鞘付属 |
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