G67436(S2822) 刀 銘 二十七代兼元 平成四年五月吉日 附)武者図黒色塗鞘打刀拵 |
現代刀 (平成四年/1992) 岐阜県 刃長69.5cm 反り2.0cm 元幅33.0mm 先幅24.7mm 重ね7.3mm |
剣形:鎬造り、庵棟。身幅広く、重ねが厚く、やや深めの反りがついて中峰延びる。(刀身拡大写真) 鍛肌:杢目肌良く詰んだ清涼な鍛肌に地沸がよく付いて精緻な地景がついて総体に肌目が強く冴える。 刃紋:小沸出来の互の目乱れは尖り刃を交えて、所詮「三本杉」の焼刃。太い互の目が刃先に向かって放射している。 茎:生ぶ。鑢目は鷹の羽。剣形の茎尻に結ぶ。佩表には『二十七代兼元』裏には『平成四年五月吉日』の制作年紀がある。 帽子:焼き高く互の目のまま乱れこんで先中丸となり返りが深い。 『二十七代兼元』は名を金子達一郎、号を『金子孫六』と称する。大正十三年(1924)生れ、岐阜県関市稲口に居を構えた。昭和十二年(1937)に日本刀鍛錬所に入所し、渡辺兼永に師事して作刀に励んだ。 同十九年(1944)に『二十七代兼元』を襲名。同氏は現代に美濃伝を継承する数少ない巧手として知られ、志津兼氏や孫六兼元の作域に私淑した作域を得意としている。昭和三十九年(1964)に開催された『新作名刀展』に初出品以降幾多の受賞を重ねている。 昭和五十五年(1980)には関市長表彰(産業功労)受賞。平成九年(1997)には『岐阜県重要無形文化財』に指定された。平成二十年(2008)1月24日歿、享年83歳。 この作品は孫六兼元の三本杉に範を取った作刀。身幅が広く、重ねが厚い豪壮な造りこみに地金は清涼でかつ美しく練れた杢目肌をして鎬地は整然とした柾目肌をしている。三本杉の焼刃は元先に至るまで小沸が均等について、『二十七代兼元』円熟期の技量の高さを首肯する代表作である。 附)武者図黒色塗鞘打刀拵 (打刀拵全体写真・刀装具各部写真)
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