H15531(W7001) 脇指 伯耆守藤原汎隆 越前住 保存刀剣 280,000円
新刀 江戸時代前期(承応/1652年頃) 越前
刃長46.0cm 反り0.9cm 元幅31.6mm 元重6.5mm 先幅22.5mm
剣形:鎬造り、庵棟、元身幅広く、棟の卸しが急で、刃区も深く重ねもしっかりと厚い。反りはやや浅めに付き中峰が延びる。(刀身拡大写真
鍛肌:板目肌がざんぐりとして肌目がたち、地沸ついて太い地景が大板目にうねる。鎬地は柾目鍛えで総体に健全な地金を呈する。
刃紋:やや低く湾れて焼きだし、互の目、箱がかた刃、拳丁子刃、腰の開いた互の目を刃を交えて焼刃に高低の変化があり、総体に小沸出来で匂口は締まりごころとなる。乱れの谷には小沸が凝り、ここに砂流しがかかり、太い足を形成する。
帽子:直調に湾れ込んで中丸に返る。
茎:生ぶ、孔一個、鑢目は大筋違い。茎尻刃上がりの入山形。棟肉平となる。掃表目釘孔下鎬筋上に長銘で「伯耆守藤原汎隆」、掃裏には鎚住地「越前住」とある。
越前国は戦国時代以降、重要な物流戦略拠点として浅井長政、朝倉義景、佐々成政、柴田勝家など領主が変貌し美濃国から数十人にわたり刀鍛冶の来住があったことで知られる。本作の刀匠である汎隆は道本兼植の門人と伝えられ、新刀初期の越前を代表する刀鍛冶として知られる。尚武の息吹を感じるがっちりとした、反りの浅い、重ねの厚い、元先の身幅の差が少ない所詮「越前姿」と云われる雄壮な元姿を残した秀作で焼幅の広い互の目を焼くなど典型的な作域を示している。
銀地磨きはばき、白鞘入り