Tuba2741a

梅樹透図鐔

無銘 肥後

変り形 鉄磨地 地透 毛彫 片櫃孔 丸耳

縦 75.0cm 横 71.1mm 重ね 4.1mm(耳) 4.6mm(切羽台)

保存刀装具鑑定書

梅の樹を図案化して地透彫りにする。鉄地はよく鍛えられ、やや茶味を帯びた黒色。梅花と蕾を丁寧な毛彫りで表現している。碁石形に中央より自然に両側に肉を落として枝先が耳に接する部分はきわめて細く、総体には重厚な造り込みながら地肌の光沢のよさや新奇な図柄、至高の彫刻技術は肥後金工の品位の高さを示している。

肥後金工は優れた武将であり茶人でもあった細川三斎(1563~1645)の奨励と指導によって発展し後世に数々の名品を伝えている。
その特徴は実用的であると同時に茶の湯の美意識にも通じる風格を備えている点にあるといえよう。